こんにちは、安井彩子です。
今日は日本画技法「隈取り」のお話を。
隈取りって日本画以外で聞いた事ありませんか?
歌舞伎の赤いお化粧の隈取りですね。
表情や血色感が強調される効果があります。
あの歌舞伎の隈取りと同じで、墨や絵具を入れて片側をぼかし、強弱を付けるのです。
「目の下のクマ」もそう、
熊ではなくてʕ•ᴥ•ʔ
隈のことです。
こちらは表情や血色感が悪くなる困った効果がありますね。
歌舞伎ほどでなくても、メイクでチークを入れたりシェーディングしたり、、
自然な立体感が出るよう、わりと普段から隈取りをやっている訳です。
話を戻します^^
日本画の隈取りは岩絵具の上から仕上げに入れる方法と、
先に隈取りしておいて、その上に岩絵具を重ねる方法、とあります。
先に入れるとこんな感じです。
薔薇の花の陰影を付けたいところに隈取りします。
ぼかすことを考慮して少し強めに絵の具を入れ、、
すぐに水で湿した筆で撫でて片側をぼかします。
墨だけ、水干絵具だけでも良いのですが、ここでは臙脂と墨を混色した暗い臙脂色で隈取りしました。
岩絵具の下地として変化をつけることが目的ですから、隈取りした所としてない所で差が出るよう、紙地もちゃんと残しておきます。
隈取りの上から岩絵具を掛けてるところです。
もう濃淡とか色の変化とか気にせず、同じ色を全体に均一に載せていきます。
岩絵具を透かして隈取りが見えてますね。
そして仕上げにもう一度、花の中心部分を臙脂で締めました。
岩絵具だけで陰影をつけようとすると、下の絵具が動いてムラになってしまったり、、
こんな風に隈取りに頼ってみるのもなかなか効果的かと思います。
この日本画の描き方シリーズも続けたいと思ってます。
それではまた^^
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